ロタウイルスの予防について

ロタウイルスとは?

ロタウイルスは生後6ヶ月~2歳をピークに、5歳までにほぼすべての乳幼児が、ロタウイルスに感染し胃腸炎を発症します。繰り返される「嘔吐」や「下痢」、「発熱」などの症状が1週間前後続きます。

激しい嘔吐と下痢により、脱水症状やけいれんを起こしたり、脳炎や脳症を合併することもあります。

このような重症化による入院となるケースを予防することが、このワクチンでできます。ウイルスの排出を妨げないよう下痢止めは使いません。治療方法は水分補給など対処療法が中心となります。

ロタウイルスは予防することが大切です。

ロタウイルスワクチンは2種類あります。生ワクチンです。

ロタリックス(1価ワクチン)とロタテック(5価ワクチン)

大きな違いは接種スケジュールとカバー率です。

接種スケジュール

どちらのワクチンも1回目接種は6~14週 6日までが推奨されています。
ロタリックスは24週までに2回接種、ロタテックは32週まで3回接種になります。
接種スケジュールについてはご相談下さい。
スケジュールが大変になりますので、2ヶ月から始めることが大切です。

カバー率

ロタリックスは、ロタウイルスの1つの型(G1)のみに効果があります。
このワクチンは、流行しているロタウイルスの約65%をカバーしています。2回内服。

ロタテックは、ロタウイルスの代表的な型(G1、G2、G3、G4、P8)全てに効果があります。
流行しているロタウイルスの約90%をカバーしています。3回内服。

ロタウイルスは1種類ではありません。いくつもの型をもっています。

日本では「G1」「G2」「G3」「G4」「G9」という5つの型が多くみられます。
どの型が流行するかは、年によって異なります。また、ロタウイルスは一度感染してもその後、別な型で感染を繰り返す可能性があります。複数回感染を重ねるごとに症状が軽くなると言われています。

ロタテックについて

  • ロタテックは5価経口弱毒生ロタウイルスワクチンです。
  • 経口生ワクチンで3回接種です。
  • 世界では2006年から使用され、高い予防効果・高い安全性が示されています。
  • ロタテックは100以上の国と地域で承認されています。
  • ロタテックは、ロタウイルスの代表的な型(G1、G2、G3、G4、P8)全てに効果あります。
    流行しているロタウイルスの約90%をカバーしています。
  • 対象は生後6週~32週の乳児のみです。
  • 4週間以上の間隔をおいて3回接種です。1回の量は2mlです。
  • 初回接種は14週6日までに行うことが推奨されています。
    1回目 生後6~24週
    2回目 生後10~28週
    3回目 生後14~32週
  • 当院では他のワクチンと同時接種することが出来ます。